美香先生(笑顔)

緊張すると汗をかいてしまうことは誰でもよくあることです。特に手のひらや脇の下に極度の汗が出て困ったという経験をされたことがある方も多いでしょう。また、汗の臭いも気になるところです。

今回は、緊張したときの汗の理由と対策方法についてお話します。

そもそも緊張するとなぜ汗が出るのか?


精神性発汗は、不安やストレス・緊張など、精神的な要因で汗をかくことを言います。

外気の温度や体の運動にかかわらず、精神的な状態によってのみ引き起こされる発汗です。そのため、一人で汗を多量にかいてしまって恥ずかしい経験をしたという方も多いのではないでしょうか。

また、汗をかくことが恥ずかしくて、さらに症状が悪化していきます。これが多汗症に繋がる理由です。

このように緊張すると汗が出るメカニズムは、緊張・不安などの精神的なストレス状態下では、自律神経の交感神経が優位になります。

通常、交感神経と副交感神経のバランスが保たれていると、自律神経による体温調節のための発汗が行われますが、このようにストレスが強い状態で自律神経が乱れると、緊張による体温調節中枢に乱れが生じ、精神性の発汗が起こってしまうのです。

緊張した時の汗が臭い理由とは

汗には2つの種類があります。

一般汗といわれるほぼ水を成分とするエクリン汗腺から出る汗と、腋臭(ワキガ)の臭いの元となるアポクリン汗腺から出る汗です。

アポクリン汗腺から出る汗は、腋臭(ワキガ)体質特有のものなので、腋臭(ワキガ)体質の多汗症であれば、緊張した時にも腋臭(ワキガ)臭が発生することになります。

もしエクリン汗腺から出る精神性多汗症であれば、腋臭(ワキガ)の臭いがすることはありません。

しかし、腋臭(ワキガ)体質であれば、精神性発汗でも腋臭(ワキガ)の臭いがあります。精神性発汗でも、腋臭(ワキガ)による多汗症と精神性発汗による多汗症、その混合タイプの3つがあります。

つまり腋臭(ワキガ)そのものの臭いは、腋臭(ワキガ)体質か否かによって決定されますので、以前にご紹介しました腋臭(ワキガ)体質チェックリストを確かめてみましょう。

(参照:腋臭(ワキガ)を判断・チェックする5つの方法【脇汗のニオイが気になったら確認してみましょう】

緊張した時の汗が臭い理由1:自律神経の乱れ

精神性発汗は、活発化した交感神経が乳酸を作り出す働きがあります。この乳酸が汗に混じる汗臭さを生じさせることがあります。

緊張した時の汗が臭い理由2:ドロドロ汗

エクリン汗腺から出る汗でも悪い汗があります。これまでお話しましたように汗には良い汗と悪い汗があります。

良い汗はほとんどの成分が水分なので、蒸発しやすく臭いもしません。しかし悪い汗は、粘着性があり、ベタベタとしていて臭いがあります。

汗腺が活発化していると、良い汗がたくさん出るのですが、汗をあまりかかない状態が続いて汗腺の働きが衰えると、良い汗を少なくなり悪い汗をたくさんかくようになります。

緊張状態で出る汗もこの悪い汗であることが多いです。この時に出る汗は老廃物をたくさん含んだ臭いのある汗です。

緊張した時の汗が臭い理由3:疲労物質による臭い

緊張状態であると、精神的な疲労や疲れが関連することもあります。長い間緊張状態が続くと、身体が疲労し血中にアンモニアが増えます。

通常、アンモニアは肝臓で分解されますが、疲労によりアンモニアが増加すると肝臓で分解しきれなくなります。そして、肝臓で分解できなかったアンモニアが、汗から排出されると、アンモニア臭のする汗が発生します。

緊張状態でも、長時間、あるいは長期間続くと臭いが悪化するのはそのためです。

緊張した時の汗が臭い理由4:冷え性などによる汗

緊張が続くと、手足が冷たくなり血の循環が悪くなります。血行が悪くなると、老廃物が血液中で高まり、それが汗として発することがあります。

冷え性で出る汗は、溜まった老廃物が汗に混じりドロドロ汗になりがちです。ドロドロ汗は臭いのする汗なので、緊張状態での血行不良などからも臭いの出る汗が出ることがあります。

緊張した時の汗臭さを対策する方法

緊張した時の汗を緩和するには次のような方法があります。

緊張した時の汗臭さの対策方法1:制汗剤を使う

緊張した時の脇汗対策として、制汗剤の使用があります。

制汗剤は、汗を吸収する吸収剤と汗を抑える収れん剤が配合されています。そのため、毛穴から汗が出るのをしっかりと抑えてくれます。

制汗剤の成分として、最も効果が高いのは塩化アルミニウムです。塩化アルミニウムには、汗腺に炎症を起こして閉塞させて発汗を抑制する作用があります。

塩化アルミニウム配合の制汗剤なら、精神性発汗による急な多量の汗でも簡単に抑えることができます。

緊張した時の汗臭さの対策方法2:デオドラントクリームを使う

もう一つは、腋臭(ワキガ)対策のデオドラントクリームを活用することです。

デオドラントクリームは、殺菌効果が高く、脇の下の菌の繁殖を防ぎます。特に有効な配合成分は、イソプロピルエチルフェノールです。

イソプロピルエチルフェノールが含まれたデオドラントクリームなら、持続時間も長く、菌の殺菌にも最も有効です。緊張した時にかく汗は、老廃物がたくさん含まれているので、肌の雑菌と合成すると悪臭の元となる成分を発生させます。

そのため、まずは脇の下を清潔に保っておくことが大切です。

緊張した時の汗臭さの対策方法3:食事療法

精神性発汗をした場合でも、臭いが酷くならないように普段の食事を気をつけることが大切です。

臭いのある悪い汗になりやすいのは、肉類や脂質の多い食べ物です。

動物性脂肪は、エネルギー転換率の高い食品なので、肝臓でエネルギーに変換されるとき、多量の熱が発生します。そのため体に汗をかきやすくなります。脂っぽいファーストフードはもちろん、甘いものの摂りすぎもよくありません。

一方で、汗腺機能を高める食材は山芋などのムコ多糖類があります。豆乳とメカブは悪臭を防ぐ効果もあるとされています。

良い汗は、緑黄色野菜や海草類なども良いとされています。

さらに、多種類の栄養素を取り入れるのも大切です。また刺激の多い食品、香辛料、塩分などは体臭の原因となりますので控えましょう。

そして、水分を十分に摂って、良い汗をかける習慣をつくることが大切です。このように、普段から良い汗がたくさんかけるように、汗腺機能を高める食事習慣を保つようにしましょう。

緊張した時の汗臭さの対策方法4:漢方による改善方法

なかなか治らない多汗症の方には漢方による改善方法もあります。

多汗症の治療に良いとされる漢方としては、紫胡桂枝乾姜(さいこけいしかんきょうとう)や紫胡加竜骨牡蛎湯(さいこりゅうこつぼれいとう)などがあります。

この2つは、特に精神性発汗の多汗症に効果があります。緊張によって急激に発汗を抑えてくれます。 緊張を緩和し、精神的な安定を保つのに有効です。

漢方は体質にあったものを選ぶことが大切ですので、薬剤師や専門の方と相談して最適なものを選びましょう。

参考:多汗症対策にお勧めの漢方の種類と特徴を徹底まとめ【脇汗・顔汗・手足汗が気になる女性必見】

緊張した時の汗臭さについてまとめ

美香先生(こちら)

精神性発汗は、場合によっては臭いを生じることもあります。

しかし、決して抑えられないわけではありません。特に、緊張しやすい人や人前が苦手な人、ストレスを溜め込みやすい人は精神性発汗による多汗症になりやすくなります。

今回ご紹介した方法で積極的に対策していきましょう。